どうも〜。マセリョウジです。
ポンジスキームってご存知ですか?
1920年代にチャールズ・ポンジという人が働いた詐欺の手法をいいます。
投資詐欺案件のほとんどがこのスキームによるものと言われています。
ポンジスキーム…「投資すれば莫大な配当が出る」と言って資金を集め、実際には投資を行わず、集めた資金から配当を支払う。
投資していないのでいずれ破綻するが、ある程度集めたところで逃げてしまえば詐欺師には大きな利益が残る。
このスキームの恐ろしいところは、当初は配当金が実際に支払われるため、投資家側は良い投資だと信じ込んでしまう点。これにより、発覚が遅れるだけでなく、さらに資金を投入したり、知り合いに勧めてしまうなど被害が広がることとなる。
和牛オーナー事件なんかもポンジスキームですね。
しかし、みなさん、どこか遠い世界の話だと思っていませんか?
そんなん騙されるわけないでしょ(笑)
そう思っているあなた、もしくはあなたの周りの人が次の被害者かもしれません。
僕も明らかに怪しいのに騙されるわけないでしょうと思っていました。そう、あの頃は。
しかし、いたんですね、騙される人が。身近に。
母です。
母に関しては他にもやらかしシリーズがありますのでぜひご覧ください。


客観的に見ると怪しい投資案件
母が騙された投資案件はこうです。
・投資でひと財産築いてもう稼ぐ必要がなくなったので他の人にも稼いで欲しくて投資教室を始めた
・教室の生徒限定で自分が資産運用してあげる
・手数料は月1万円
・月利20%
・暗号通貨の取引所ごとのレートの違いを利用して利ざやを抜く投資法
・元本保証
どうです?
やばくないですか。モロですよね。
特に、元本保証、ありえない高利回り、私募ファンド、詐欺三兄弟が揃ってますよ。
その案件に、母はいくばくかのお金を預けたところ、実際に儲けが出た(含み益か配当かは不明)ので更なる追加投資を考えているとのこと。
ちょっと怪しいんじゃないの?
こう疑問を呈しても、「あの人は投資ですごい利益を出して儲けて生活は安泰なのに、親切心でやってくれてるんだ」とすっかり信じ切っていました。
詐欺師は信用を得るために時間をかける
この詐欺師の巧妙なところは、まず投資教室で優しく投資について教えてくれます。こうして、信頼関係を築くわけです。
また、「自分は、投資で儲け尽くした。これ以上自分の資産を増やすより他の人の資産も増やして豊かになってほしい」と言って投資であがったアピールをするのです。巧妙な権威づけです。人のために教えたいということを言うことによって、あたかも「金儲けなど考えてませんよー」という印象を与えています。
巧妙ですね〜。
自分の得にならないことを時間を割いて一生懸命やってくれるので、だんだん信じちゃいますよね。
これの巧妙なところは、コミュニティに言葉巧みに入っていってコミュニティごと騙していくんですよね。
当時の自分には止める力が無かった
当時の僕は手をこまねいて見てたのでしょうか。
実は当時は投資を始めてまだ1〜2年で、「インデックスの長期分散投資がいいことは腹落ちしたがそれを他人にうまく説明できない」くらいのレベルでした。
ただ僕の勉強していた投資の知識からするとめちゃくちゃ違和感がありました。
しかし、それをうまく伝えることができないのです。
せいぜい「インデックス投資がサァ」「15年以上やると損しないんだけどサァ」とかインデックス投資のメリットを述べるにとどまるくらいでした。
そのうち母がそんなものに投資したことも忘れてしまいました。
騙されたことが発覚
「母がコミュニティで出会った投資教室をやってくれた人に暗号通貨投資の資金を預けた」ことをすっかり忘れて過ごしていたある日、ふとこのことを思い出して母に尋ねたのです。
そういえばあの投資どうなった?
すると、母は暗い顔で。
「投資を任せた人と連絡が取れない」
というのです。
その瞬間、「あ!やられた、これあの有名な手口やん」
と思いましたが後の祭りです。
ガッチリとポンジスキームでした。
被害額について母はモゴモゴするのでわかりませんが、雰囲気からすると数十万〜100万単位、「騙されちゃった〜、てへぺろ」では済まされない額のようでした。
騙されても詐欺師をかばう
この話の怖いところは、騙された母自身が、
「どうもあの人(詐欺師)も騙されてたみたいやで」
と詐欺師のことかばうのです。
おかしくないですか?
自分を騙して金を巻き上げたのですよ。怒り心頭で当たり前ですよ。
つまり、それだけコミュニティに入り込んで信頼関係を構築していたのです。コミュ障の自分にはむしろ羨ましいくらいです。
もちろん、詐欺師も被害者ってことにして自分自身が騙されたことを薄めることによって心の平穏を保ちたい母の気持ちもあったと思います。
どうすればポンジスキームに騙されないのか
それでは、巧妙に仕掛けてくるポンジスキームから僕たちはどうやって身を守れば良いのでしょうか。
✅正しい知識を身につけ、少額からでも投資を自分で行う
✅身内や友達の場合…騙される前に知識をつけさせる
正しい知識を身につけ少額からでも投資を行う
正しい知識を身につけることが必要です。
知識がないと相手が勧誘してきた時に、判断する材料が無く、
「あれ?これホンモノかも」
と思って大金を投じてしまう恐れがあります。
知識があれば、詐欺の王道である
・元本保証
・市場平均をはるかに上回るリターン
・あなたに特別に教えます
・誰でも簡単
・いかにも最新っぽいワードで聞いたことはあるが仕組みがよくわからない投資手法
・私募ファンド(金融庁の認可を受けていない私的なファンド)
以上のような、文言が出てきたらすぐに名探偵コナンばりにピーンとくるのです。
特に金融庁に認可を受けていない、私募ファンドは一発アウトと思っていいでしょう。証券会社を通さないような「ここだけの話」があなたの元へやってくることはありません。そういう話は詐欺だと思ってちょうどいいです。
知識は書籍やネットでじゅうぶん身に付きますが、注意しないと書籍やネット情報そのものが怪しい投資話の入り口になっている場合があります。
おすすめ本と動画を載せておきます。
また、少額からでもいいので、自分で投資をやってみることが重要です。
・投資商品の種類
・値動きのしかた
・得られるリターンの相場
こういったものが体感として身に付きます。
例えば、米国株の市場平均が現在まで平均年利6〜8%と考えると月利20%はとてつもない額です。おかしいなとピンとくるわけですね。
さらにいうと、投資の神様ウォーレン・バフェットが平均年利20%です。そんな投資の神様以上の投資家がそこらにゴロゴロいて、しかもその人がおいしい話を自分に持ってくるだろうかと考えるとこれは詐欺案件だなとすぐわかるのです。
身内や友達を守る場合
投資詐欺に騙される対象が自分自身でなく、身内や友達の場合。これは非常に難しいです。
自分自身であれば知識を身につけた上で判断すれば良いですが、金融リテラシーの備わっていない身内や友達が投資詐欺を食らっている場合、説得が困難だからです。
私たちが何を言っても、詐欺師の言葉をすっかり信じていますので、まるで届きません。
それどころが、「シロウトがうるさいな、専門家が言うんだから間違い無いだろうが」とばかりに鬱陶しい人扱いになることもあります。
こうなったらもう説得はほぼ不可能です。騙されたことに気づくまでもうどうにも止まらないでしょう。
つまり、大切なのは、身内や友達が、騙される前に知識を身につけさせないといけないのです。
騙されてからではもう言葉は届きませんので、いかに、先に知識を身につけさせるかでしょう。
時々、金融の話をしたり、リベ大動画をさりげなく勧めたりと折に触れて正しい知識を先に伝えると良いでしょう。あまりしつこいと逆に怪しまれるので、バランスは難しいですが。
騙される前に金融リテラシーを身につけないと遅い
知識は武器でもあり、あなたやあなたの大切な人を守る防具でもあります。
僕や母は知識という防具を持っていなかったために、詐欺師に騙されてしまいました。今の知識がその当時の僕にあれば、母を救えたかもしれないなと思うと残念でなりません。
大切なお金、それを失うことのないよう正しい知識、身につけましょう!